ディープラーニング用PCに求められるスペックは?おすすめ&自作PCの作り方

ディープラーニングは先端技術であるということもあり、その運用には相応のスペックがコンピューターに求められます。ディープラーニングの運用は個人や企業を問わず進んでいますが、満足に活用するためには環境の整備から始める必要があるでしょう。

今回は、ディープラーニングに最適なPCの選び方や、自作でディープラーニング用PCを作る場合に必要な情報を紹介します。

ディープラーニング用PCに必要なスペックとは

デスクトップパソコン

まずは、ディープラーニングに必要なPCのスペックについて確認しておきましょう。いずれにせよ、どれも高品質なパーツを用意するに越したことはありませんが、最も注目したいのはGPUです。

GPU

GPUはGraphics Processing Unitの略称で、主にコンピューターにおけるグラフィック描写を処理するプロセッサーです。画像処理や3Dの描写は、PCに多くの負担がかかり、相応の性能がなければ満足に動画を視聴したり、3DCGをモデリングしたりすることが難しくなります。

そして、ディープラーニングを行う上でもGPUの性能は非常に重要です。近年のディープラーニング研究では、GPUの積極的な運用が進んでいますが、それには並列処理に特化しているという強みがあるためです。

グラフィックを描写するための処理には、同じ計算処理を行うタスクが大量に発生します。そのため、GPUは同時に複数の計算ができるよう設計されており、同じタスクを一度に処理することで、グラフィックをスムーズに描画できるのです。

そして、ディープラーニングもグラフィック描写と同じく、一度に大量の計算処理が発生します。機械学習は単純な計算を何度も繰り返すことで行いますが、このタスクとGPUの並列処理特化の能力は、非常に相性が良いのです。

そのため端的に言えば、GPUを強化する事で優れたディープラーニング環境を構築できるというわけです。

CPU

CPUはCentral Processing Unitの略称で、コンピューター全体の計算処理を担うプロセッサーです。PCにおける脳のような役割を果たしており、あらゆる挙動はCPUが司っています。

CPUとGPUはどちらも計算処理を担うパーツですが、互いに異なる処理を担当しています。これは、グラフィック描写の負荷が非常に大きく、CPU単体では処理できないことが理由として挙げられます。

以前はグラフィック処理もCPUが担当してきましたが、技術の進歩につれてCPUだけでは全ての計算処理をこなすことが難しくなりました。特に、グラフィックは他の処理に比べて大きな負荷がかかるため、GPUがCPUの代わりに負担を負うようになったのです。

いずれにせよ、コンピューター運用においては欠かせないパーツであることは間違いありません。

メモリ

メモリは、コンピューターが処理を実行する前、一時的にデータを保管しておくためのパーツです。メモリ容量が大きいほどより多くのデータを一度に処理することができ、ここの容量が小さければ処理も遅くなってしまいます。

CPUの性能次第でPCの処理性能が左右されることはもちろん、メモリ容量が大きいことも快適な動作には欠かせない要素です。ディープラーニングにおいても多くの計算処理が発生するため、メモリ容量の大きさは非常に重要です。

ストレージ(HDD/SSD)

直接の計算処理には関係しませんが、PCにおいてはストレージの大きさも大切です。コンピューターで処理するデータを保管する役割を担い、近年はSSDの採用が一般的です。

これまでは、ストレージといえばHDDが主流でしたが、消費電力の小ささや排熱性能、耐衝撃性から、SSDへの換装が進んでいます。一般的に販売されているPCにもストレージは標準搭載されていますが、外付けSSDやオンラインストレージの活用により、他のパーツに比べて拡張性が高いのが特徴です。

ディープラーニングに強いPCを選ぶ際のポイント

スペックの高いパソコン

続いては、ディープラーニングに強いPCを選ぶ上で押さえたいポイントについて紹介してきます。

GPUの性能を優先する

ディープラーニングに強いGPUを選ぶ場合、まず注目したいのがGPUの性能です。

先ほどお伝えしたように、GPUはディープラーニングを効率よく進めていく上で重要な役割を果たします。計算処理には欠かせないプロセッサであるため、GPU性能だけで決めるというのも良いでしょう。

GPU性能に優れたPCは、ゲーミングPCやグラフィックデザイナー向けにカスタマイズされたものが一般に流注しています。GPUの性能に優れるPCを探す場合には、こういったジャンルのPCを探すアプローチを意識すると効果的です。

メモリ容量にも気を付ける

GPU性能をさらに引き出すためには、メモリ容量にも気をつける必要があります。メモリ容量の大きさ次第で、一度に処理できる計算量は異なります。

GPU性能に優れるPCを見つけた場合、メモリ容量の大小にも気を配ることで、最適なPCを選ぶことができるでしょう。もちろん、メモリもGPUも性能に優れたPCとなると本体価格は高くなりますが、メモリとGPU性能のバランスを見ながら選ぶのがおすすめです。

CPUはハイエンドである必要はない

GPUやメモリ容量よりも多くの役割を担うCPUですが、ディープラーニングに特化した性能のコンピューターを求めている場合、CPUの性能にそこまでこだわる必要はありません。ディープラーニングの処理そのものはGPUを運用して行いますし、GPUやメモリ容量に優れていれば、CPUも相応の品質が確保されていることが多いからです。

CPUも優れているのに越したことはありませんが、費用の都合から性能を絞らなければならない場合は覚えておきましょう。

ストレージはHDDよりもSSDを選ぶ

最近ではあまり見なくなりましたが、中古のPCを購入する場合はストレージがHDDであるケースもよくあります。HDDはSSDに比べて排熱性や衝撃耐性がなく、PC本体に大きな負荷をかけてしまう可能性があります。

そのため、ディープラーニングのパフォーマンスを少しでも高めるためにも、SSD搭載のPCを選びましょう。万が一容量が足りないという事があれば、オンラインストレージなどを活用し、補強することもできます。

ゲーミングPCがディープラーニングに最適である理由

ゲーミングPC

このような選び方を踏まえると、ディープラーニング向けPCとして候補に上がるのが、ゲーミングPCです。

先ほども少し触れたゲーミングPCは、いわゆるPCゲームを遊ぶのに特化した性能を持つ、ハイスペックPCの一種です。「ゲーミング」とは言ったものの、ゲームしかできることがないわけではなく、むしろハイスペックを要求する処理には最適の性能を誇っています。

コンピューターとしてのスペックが高い

ゲーミングPCは様々なメーカーから発売されており、価格も相応の値段となっています。しかし、その分コンピューターとしての性能が高く、ゲームを特別遊びたいという人でなくとも、さまざまなプロフェッショナルから好んで選ばれています。

スペックの高いPCを探している場合、ゲーミングPCのジャンルから探すのは悪くない選び方です。

優れたGPUを備える

ゲーミングPCの最大のメリットは、GPU性能に優れたている点が挙げられます。ゲームをPCで遊ぶ場合、大量のグラフィック処理が発生します。

そのため、ゲーミングPCは基本的なGPU性能に優れており、例えディープラーニングのように別の用途でPCを使う場合にも、安定したパフォーマンスを発揮します。

GPU性能を優先するPC選びにおいては、ゲーミングPCは期待に応える働きをしてくれます。娯楽用と思われがちですが、実用性は非常に高いのは見逃せません。

排熱性能が高い

GPUに大きな負荷がかかると、その分巨大な熱を発することになります。気温が低い場所や季節に利用するのは問題ありませんが、夏場や周囲の温度が高い場所での運用となると、適切な冷却処理を行わなければ、コンピューターもオーバーヒートしてしまいます。

ゲーム用途での使用においても、排熱対策は重要です。冷却ファンなどのカスタマイズは欠かせないところですが、ゲーミングPCであれば一からカスタマイズをすることなく、排熱性能に優れたPCが手に入ります。

ディープラーニングにおいてもGPUの負荷が大きく、冷却を適切に行わなければコンピューターの故障の原因や、処理速度の低下の原因となります。排熱性能に優れたPCを選び、快適な学習環境を整えましょう。

ディープラーニング用に自作でPCを作る方法

ディープラーニングに特化したPCを運用するにあたり、満足のいく製品が見つからない場合や、少しでもコストを抑えてPCを手に入れたい場合、自作でPCを用意するのも一つの手です。

自作PCはマニアックな趣味としての知名度が高い一方、PCの性能を自分で好きなようにカスタマイズできるということで、特定の分野に特化させたい場合には有効な選択肢です。自作PCを構築する上で必要な手順について紹介していきましょう。

必要なパーツを準備する

まずは、PCの組み立てに必要なパーツを揃えましょう。PCを動かすためには、先ほど挙げたGPU・CPU・メモリ・ストレージ以外にも部品が必要です。CPUを搭載するためのマザーボードや、電力を共有するための電源ユニット、そしてコンピューターを整頓し、外部からのダメージをカバーするための本体ケースと、さまざまなパーツを用意する必要があります。

ただ、最近では自作PCを組み立てる人に向けたガイドラインも普及しており、PCショップなどに行けばわかりやすく作り方や必要なパーツを教えてもらうことができます。専門家のスタッフから話を聞き、過不足がないよう準備しましょう。

パーツの組み立てに使用する工具を用意する

パーツを揃えた後は、それらを組み立てるための工具を用意しなければなりません。パーツの組み立てに必要な工具には、次のようなものがあります。

  • プラス・マイナスドライバー
  • ニッパー
  • カッター
  • ラジオペンチ
  • 静電防止手袋
  • 静電気防止リストバンド
  • 結束バンド

特に、静電防止手袋などは放電によるPCパーツの損傷を防ぐという、重要な役割を果たします。きちんとツールを揃えてから作業に取り掛かる必要があるため、パーツの購入と同時に準備しておくことをおすすめします。

組み立て

パーツと工具が揃ったら、いよいよ組み立ててです。組み立て作業についてはきちんと順序立てて行う必要があるため、別途マニュアルなどを参考にしながら行いましょう。

ブログなどのテキストや画像を参考にするのも良いですが、近年はYouTubeなどにも優れた組み立てマニュアルが動画で公開されています。

組み立てが面倒なら、BTOパソコンの購入も検討を

自作PCはパーツと工具があれば誰でも行えるとはいえ、実際に手を動かすとなると時間はかかりますし、ミスをすればパーツを丸ごと交換しなければならないケースもあります。

そこで利用したいのが、パーツを選んで専門家に組み立ててもらうというBTOパソコンの購入です。BTOパソコンとは、自分でパーツを選ぶ楽しさや拡張性の高さは据え置きにしながら、組み立て作業は専門家に任せる事ができるサービスです。

自ら組み上げる必要がないので、組み立てに時間を費やす事もなければ、組み立て工程にミスが発生することもありません。もちろん、組み立てを専門家に任せるということでその分の費用は発生しますが、予算に問題がなければこの方法も十分に有効です。

工具を揃える手間や、組み立てにかかる負担を考慮しながら利用すると良いでしょう。

小さな負荷でディープラーニングを行う方法

小さな負荷で行うディープラーニング

このように、ディープラーニング向けのPCを一から用意する方法にはいくつかありますが、やはり質の高いハードウェアを用意するには障害が残ります。

ハードウェア導入に伴うコスト問題

ディープラーニング特化の環境整備において、最大のネックとなるのがコストの問題です。たとえ家庭用PCであっても、その価格は一台数十万円にものぼるのは当たり前で、それを複数台用意するのは大きな投資です。

研究用や未来への投資だとしても、それなりに予算が潤沢でなければ満足のいくディープラーニング環境を整えることはできず、システムの総入れ替えを安易に行うというのは叶わないでしょう。

とはいえ、旧世代のPCをディープラーニングに活用するというのも、あまり効率的な手段であるとは言えません。

ディープラーニングが注目を集めてきたのは、ハードウェアの性能の進化によって実用性を獲得できた点にもあります。ハードウェアがディープラーニング の先進性について来れなければ、せっかくの技術も持て余してしまうでしょう。

クラウド活用でディープラーニングはもっと身近に

ハードウェアの費用負担は、中小企業や個人でのディープラーニングや人工知能の活用を大きく妨げる要因となっています。しかし、近年ではクラウドサービスを活用することで、リーズナブルな価格で環境整備を行うことも可能です。

代表的なのは、クラウドストレージの登場です。これまでは、USBやHDDを自前で購入しなければならないものでした。

一方、クラウドストレージはオンライン環境でストレージ機能を好きなだけ利用でき、データを紛失する心配もありません。料金も安く、誰でも数テラバイトの容量確保を迅速に行えます。

ディープラーニング の活用においても、クラウドサービスが有効です。M:CPPに代表されるクラウドGPUの登場によって、自前でGPUを用意できなくとも、クラウド経由で十分なリソースを確保可能になりました。

クラウドGPUがディープラーニングに最適な理由

ディープラーニングのエンジニア

クラウドGPUは、その名の通りクラウドを介してGPUのリソースを確保するためのサービスです。なぜクラウドGPUがディープラーニングにおいて注目されているのか、その理由を解説していきましょう。

ハード不要で低コストな導入を実現

一つ目は、クラウドGPUは新たな設備を購入する必要がなく、ハード不要で利用できる点にあります。従来のGPU増強のイメージといえば、新たにGPUプロセッサを購入し、コンピューターへインストールするというものでした。

しかし、クラウドGPUはオンラインでGPUを利用できるという優れたサービスです。利用にはライセンス料金を支払うだけで良いため、初期費用は大幅に抑えられるでしょう。

新たなハードの増築には物理的なスペースも確保する必要がありますが、クラウドGPUはその必要もなく、省スペースで効率的な運用が可能です。

迅速に環境を整備可能

クラウドGPUは、PCショップへ行ってパーツを購入したり、オンラインショップであれこれとパーツを吟味することなく、申し込みからすぐに利用できるのも強みです。オンプレミス型はどうしても見積もりを立て、ハードを設置し、使用環境を整えるというステップが発生するため、すぐにリソースが必要な場合に対応することができません。

一方、クラウドGPUは申し込みからすぐに利用し、環境整備を実現できるため、タイトなスケジュールや急な必要が発生した際にも頼りになるサービスです。

従量課金で必要な分だけリソースを確保

クラウドGPUのもう一つのメリットは、従量課金で利用できる点にあります。これまで、GPUリソースの確保はあらかじめ必要になりそうな量に目処をつけ、導入することが一般的でした。

GPUが必要のないプロジェクトであればリソースにも余裕を持たせられる一方、いざGPUをフル稼働させるとなると、すぐに使用率が限界に達してしまうケースもあります。

オンプレミスでは導入するリソースの微調整が難しく、持て余すかギリギリの使用率かの二極化が当たり前でしたが、クラウドGPUは柔軟に使用量を調節できます。

料金体系も使用量に応じた従量課金で決定する方式が一般的なため、余分な費用が発生しないのは嬉しいポイントです。必要がなくなれば余剰分の利用を停止するだけで良いため、維持コストもかかりません。必要なときに必要なだけ利用できるメリットを、最大限活用しましょう。

まとめ

ディープラーニングに特化したPCを用意する場合、最も注意したいのがGPUのスペックです。GPUの質が高いほどディープラーニングは運用しやすくなりますが、マシンスペックに伴う費用負担も考慮しなければなりません。

予算に余裕はないけれど、少しでも軽快にディープラーニングを実践したい場合に導入を検討すべきなのがクラウドGPUです。従量課金で必要な分だけ、いつでも導入できるクラウドGPUは、コストパフォーマンスの最大化に役立ってくれます。

ハイエンドなクラウドGPUを探している場合には、M:CPPの利用がおすすめです。

MCPP

M:CPPはAMD社のハイエンドモデルGPUをクラウド環境で提供しており、ディープラーニングをはじめとした複雑な演算処理も確実に任せられます。ハイエンドとはいえ、個人から大企業まであらゆるニーズで活躍できる料金プランをリーズナブルに用意している点も強みの一つです。

GPUクラウドサービスも大手のものとなると、決して安くないコストが発生するものです。M:CPPではそのような負担の問題を解決すべく、クライアントに応じた最適なプランを提案し、大手GPUクラウドと比較して1/2以下の費用でのサービス提供も実現します。

また、M:CPPではニーズにあった最適なサーバーを提供するため、利用目的に応じた構成をフルカスタマイズで、フリートライアル期間も込みで提供しています。エンジニアによるサポート体制も整えており、運用までに発生する負担を最小限に抑えられます。

初めてのGPUクラウド運用にはもちろんのこと、クラウドサービス の乗り換えを検討している人にとっても、利便性の高いサービスです。