【2022】ディープラーニング用おすすめノートPCは?必要スペックをわかりやすく解説

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ディープラーニング用おすすめノートPC

ディープラーニングは最先端のテクノロジーであると同時に、実際には家庭用のデスクトップパソコンはもちろん、ノートPCでも実現可能な技術です。

ただ家庭用のPCでも実行できるとはいえ、スムーズな人工知能開発を進めるためには、相応のスペックを必要とするものです。

今回はディープラーニングを実装する上で、ノートPCに求められる必要スペックについて、見ていきましょう。

ノートPCの基本構成を確認しておこう

ノートPCでディープラーニングを実行する前に、まずはPCに必要な基本構成について確認しておきましょう。

ラップトップ(ノートパソコン)とデスクトップを問わず、PCは主に次の4つのパーツによって構成されています。

ここの数字の違いによって、本体の性能も大きく異なります。

  • CPU
  • GPU
  • メモリ
  • ストレージ(HDD/SSD)

CPU

コンピューターを扱う上でまず重要になるのが、CPUの存在です。CPUはCentral Processing Unitの略称で、ノートPCの計算処理全般に関わる働きをしています。

CPUは、人間で言う脳のような役割を果たしており、コンピューティングの要となる存在です。CPUの性能が向上すればするほど、ノートPCのパフォーマンスも高まります。

アプリの展開からネットサーフィン、さらにはマウスの挙動に至るまで、CPUが一括して管理しているというわけです。

GPU

CPUの次に大切なのが、GPUです。GPUはGraphics Processing Unitの略称で、その名の通りグラフィックの処理を担当するプロセッサです。

グラフィックの描画には大きな負荷がかかるため、CPU単体ではスムーズな処理が難しいものです。そこで、グラフィック専門の計算処理を担うGPUを導入することで、高画質な映像であっても滑らかに表現することが可能になっています。

普段はグラフィックデザイナーやビデオゲームで遊ぶプレイヤーに重視される部分ですが、ディープラーニングにおいてもGPUのスペックは重要です。この理由については後で紹介します。

メモリ

メモリパーツはコンピューターが計算処理を行う際、一時的にデータを保管するための空き容量です。8GBや16GBなど、メモリのスペックが空き容量で表示されるのは、このような役割を持つためです。

一般的に、メモリ容量は大きければ大きいほどデータ保管できる量が増えるため、効率的な計算処理を促してくれます。CPUやGPUのスペックで満足できない場合、メモリ容量を増やすことで問題を改善できることもあります。

ストレージ(HDD/SSD)

大きなデータを常に扱う場合には、内蔵ストレージにも気を配るべきでしょう。ストレージは、デジタルデータを保管しておくための場所で、容量が大きければ大きいほどPCに保存しておけるデータ量は増加します。

書類データなど、テキスト主体のデータを扱うのがメインであれば容量はそこまで気にする必要はありませんが、グラフィックや映像など、容量の大きなデータを扱う場合には注意が必要です。一つ二つ映像データを保存しておくだけで、PCのストレージには大きな負荷がかかり、容量がいっぱいになってしまうためです。

そのため、巨大なデータを扱う予定がある場合、1TBほどもある巨大なストレージを持つモデルを購入するか、USBメモリや外付けHDDなど、別途ストレージを用意しておくことが賢明です。

ディープラーニングに必要なスペック

テーブルの上のノートパソコン

ノートPCでディープラーニングを行う場合、通常のデスクトップPCに比べるとスペックの追求にも限度があります。本体のコンパクト性を維持するために、ある程度性能を犠牲にしなければならないためです。

ノートPCでディープラーニングを行う場合、どんなスペックに気を配る必要があるのかについて解説しましょう。

CPU

まずは、CPUのスペックです。CPUについてはノートPC全体の制御に関わるため、そこまでスペックにこだわる必要はありません。

もちろん、クアッドコアのように複数のCPUを搭載しているPCであればディープラーニングの処理速度にも良い影響を与えてくれます。

しかし、ディープラーニングの処理を行うにあたってはGPUの役割が大きくなってくるため、お金をかける上での優先順位はあまり高くありません。デュアルコアのCPUでも、十分に活躍してくれるでしょう。

GPU

ディープラーニングを行う上で、最もスペックに注目したいのがGPUです。近年、GPUはディープラーニング研究において必須の存在となっており、多くの研究者がGPUを人工知能開発に役立てています。

その理由については後ほどご紹介しますが、こういった事情がある以上、GPUの性能には触れないわけにはいきません。

簡単なディープラーニング処理であればミドルクラスのGPUでも差し支えありませんが、より高性能で、高速のディープラーニングを実現するためにはGPU性能にこだわりましょう。

最近ではディープラーニング専用コアを持つGPUも登場しているため、自分でPCを組み上げる場合にはこういった製品も活用するのがおすすめです。

メモリ

メモリ容量が大きければ大きいほど、一度に可能な計算量は増えるため、やはりディープラーニングにおいてもパフォーマンス向上が期待できます。ただ、GPUに比べればその恩恵は小さく、あれば嬉しい程度のスペックでもあるため、優先的に容量を確保する必要はありません。

ストレージ

ディープラーニングには高い計算能力を必要とするだけあって、処理するデータの数も膨大です。そのため、データを保管しておくための余裕のあるストレージが必要になります。

ただ、ストレージは外付けでも十分に間に合わせられるので、内蔵ストレージの大きさにこだわる必要はないでしょう。

また、近年はデータの保管にクラウドストレージを使うケースも増えており、オンラインでデータを管理することも当たり前になってきました。そのため、今回紹介した4つの中では、最も優先度の低い要素であると言えます。

ディープラーニングでGPUが重視される背景

ディープラーニングにおいては、GPUの性能が非常に重視されています。これには、ディープラーニングの計算処理のアプローチが大きく影響しています。

高い並列処理能力

そもそも、グラフィックの描画に大きな計算処理が発生するのは、複雑な計算処理がいくつも必要となるからではなく、同じような計算を何度も繰り返さなければ、滑らかな映像表現ができないためです。簡単な計算処理とはいえ、その量が膨大なことからGPUが活用しているわけですが、これらの処理を効率的に行うため、GPUは高い並列処理能力を有しています。

つまり、GPUは同じような問題を同時に複数処理することで、スムーズなグラフィックの描画を実現しているのです。

そして、同時並列処理が必要という意味ではディープラーニングも同様です。ディープラーニングは計算処理の数は膨大なものの、処理そのものは同じような計算の繰り返しです。そのため、GPUの並列処理の能力はディープラーニングの計算と相性が良く、多くの研究において採用されることとなりました。

検証済みのパフォーマンス

GPUがディープラーニング研究において本格的に注目されるようになったのは、2012年に開催された世界的なAIノ画像認識コンテストがきっかけです。

トロント大学のジョフリー・ヒントン教授が率いるAIは、GPUを用いたディープラーニングによる学習を行った結果、2位以下を大きく突き放した驚きの認識率によって、優勝を飾りました。これ以降、世界中の研究者の間でディープラーニングにおけるGPU活用が進んでいったのです。

ゲーミングノートPCがディープラーニングに最適である理由

優れたGPUを有するノートPCを探す場合、最適なのが「ゲーミングノートPC」の活用です。ここでは、ディープラーニングにゲーミングPCがなぜ優れているかについてお伝えします。

優れたGPUを有しているから

まず、ゲーミングPCは総じてGPUの性能に優れていることが最大のメリットです。PCでゲームをプレイする場合、ポイントとなるのが、グラフィック性能の高さです。

ゲームにおいては、描画処理が非常に多く、GPUの性能に余裕がなければ安心してゲームを楽しむことができません。そのため、GPUはあらかじめ特に力を入れて開発されています。

このような理由から、ゲーミングノートPCはディープラーニングにも有効であることがわかります。

排熱性能が高いから

また、高い計算処理が発生すると本体にも負荷がかかり、多くの熱を放出します。熱をうまく放出して冷気を取り込めなければ、フリーズや故障の原因となり、うまく学習を進められません。

一方で、常に高い負荷をかけることが前提のゲーミングノートであれば、ディープラーニングを長時間行っても熱がこもる心配はなく、安心して研究を行えます。

ディープラーニングにおすすめのノートPC

ここで、ディープラーニングにおすすめのノートPCもご紹介します。購入の際の参考にしてみてください。

コストパフォーマンス重視な方向け:Lenovo IdeaPad S540

Lenovo IdeaPad S540

画像引用元:Amazon

 

ディープラーニング専用機として、手頃なモデルを探しているという方にはLenovo IdeaPad S540がおすすめです。AMD性のGPUを搭載しており、高いパフォーマンスが求められる現場でもしっかりと稼働し、ユーザーの作業効率向上に役立ってくれます。

価格はAmazonで6万円代と安く、すぐにノートPCを使って研究を始めたいという場合におすすめです。

ハイエンドマシンを探している方向け:DAIV 5N

DAIV 5N

画像引用元:mouse

 

マウスが販売しているDAIV 5Nは、現行機としては最先端の性能を誇るノートPCです。GeForce RTX 2060(6GB)を採用し、ストレージには512GBのSSDを搭載しており、15.6インチのフルHD液晶を存分に活用できるスペックを備えます。

価格は20万円前後となりますが、それに見合う働きをしてくれるでしょう。

ゲーミングPCでディープラーニングを実行したい方向け:GALLERIA GCL2060RGF-T

GALLERIA GCL2060RGF-T

画像引用元:Dospara

 

ディープラーニングも行いたいけれど、せっかくのゲーミングPCでゲームも楽しみたいという場合には、ガレリアのこちらのモデルがおすすめです。ストレージこそ搭載していないものの、GPUにはGeForce RTX 2060 6GBを採用しており、非常に高いパフォーマンスを発揮します。にもかからず価格は12万円程度に抑えられており、お買い得のモデルであることは間違いありません。

クラウドGPU運用のメリット

ノートPCではスペック不足も起こりがちですが、そんな時に活用したいのがクラウドGPUです。

低コストで導入できる

クラウドGPUは、新たにGPUを増設するよりもはるかに低コストで導入ができます。増設に伴いハードウェアをカスタマイズする必要はないため、手軽に扱えるのも嬉しいところです。

柔軟にリソースを拡充できる

導入に向けた環境整備が必要ないぶん、リソースの増減も迅速に行えます。ピーク時だけGPUを増やしたい、閑散期は必要ないという場合には、ライセンス契約の設定を変更するだけでコストを削減可能です。

BCP対策にも優れている

また、特定のサーバーやオフィスに依存する心配もなく、すべてオンラインで設備を完結できます。そのため、何らかの災害が発生しても、安心して従来の業務を滞りなく継続できるよう設計されています。

まとめ

近年のノートPCはデスクトップに劣らない性能を持っているため、適切なPCを選べば十分ディープラーニングに活用していくことができます。正しいPCの選び方を学び、ノート環境で人工知能開発を進めていきましょう。

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